Zipファイルのウイルスチェックを行う重要性を解説

 2024.07.24  クラウドセキュリティチャネル

ZIPファイルは便利な圧縮形式ですが、マルウェアやウイルスが潜んでいるリスクもあります。これらの脅威は解凍時にシステムへ侵入する可能性があり、重大なセキュリティ問題を引き起こします。

この記事では、ZIPファイルのウイルスチェックを行う重要性について詳しく解説し、セキュリティ対策の必要性を強調します。

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ZIPファイルとは

ZIPファイルとは

ZIPファイルとは、複数のファイルやフォルダを1つの圧縮ファイルにまとめた形式のことです。ZIP圧縮はファイルサイズを小さくし、保存や転送を効率化するために使用されます。

ZIP形式は広く利用されており、WindowsやmacOSを含む多くのOSで標準的にサポートされています。まずは、ZIPファイルの概要について解説します。

ZIPファイルのメリット

ZIPファイルの最大のメリットは、ファイルやフォルダを圧縮することでサイズを小さくできる点です。これによりストレージスペースを節約し、ファイル転送速度の向上が図れます。特に大量のデータを扱う際には、ZIPファイルを利用することで、ディスクの使用量を抑えられます。

また、複数のファイルを1つのZIPファイルにまとめることで、整理整頓が容易になり、データの管理が効率的になります。

さらに、ZIPファイルはパスワードで保護することが可能であり、データのセキュリティを強化する手段としても利用できます。多くのOSが標準でZIP形式をサポートしているため、特別なソフトウェアを必要とせずに扱える点も大きな利点です。

ZIPファイルのデメリット

多くのメリットがある一方で、ZIPファイルにはいくつかのデメリットや注意点も存在します。まず、圧縮率がファイルの種類によって異なるため、必ずしも大幅なサイズ削減が期待できない場合があるのです。特に、すでに圧縮されているファイル(例えば、JPEG画像やMP3音楽ファイルなど)では、圧縮効果がほとんど見られません。

またZIPファイルが破損すると、中に含まれる全てのファイルにアクセスできなくなるリスクがあります。さらにパスワードで保護されたZIPファイルは、そのパスワードを忘れてしまうとデータにアクセスできなくなる可能性があるため、パスワード管理が重要となります。

加えて、ZIPファイル自体がウイルスの運搬手段として悪用されるケースもあり、セキュリティリスクを伴うことがあります。

なぜZIPファイルにもウイルスチェックが必要なのか

ZIPファイルを使用していてもウイルス感染する恐れがあるため、ウイルスチェックが必要です。ZIPファイルは複数のファイルが圧縮されているため、悪意のあるファイルが紛れ込んでいる可能性があります。

もし、ZIPファイルにウイルスが含まれていた場合、解凍時コンピュータに感染する恐れがあります。解凍ソフトの脆弱性を突いた攻撃や、マクロウイルスなどが潜んでいる場合もあるでしょう。

ZIPファイルは便利ですが、ウイルス感染のリスクも忘れてはいけません。大切なデータを守るためにも、ZIPファイルを開封する前に必ずウイルスチェックを行いましょう。

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ZIPファイルに潜むセキュリティリスク

ZIPファイルに潜むセキュリティリスク

ZIPファイルには、圧縮されているが故に見落とされがちなセキュリティリスクが存在します。特に、悪意のある第三者がマルウェアを潜ませる手段としてZIPファイルを利用するケースが増えています。

ここからは、ZIPファイルにどのようなセキュリティリスクが潜んでいるのか詳しく解説します。

悪意のある第三者からの攻撃

ZIPファイルを使用しているから安全ということはありません。悪意のある第三者によって、ウイルス感染する場合もあります。

マルウェアやウイルスをZIPファイルに潜ませ、ユーザーがそのファイルを開くことでシステムがウイルスに感染します。また、フィッシングメールや偽のWebサイトからダウンロードされたZIPファイルにも危険が潜んでいる可能性があります。さらに、なりすましによってユーザーを騙し、危険なZIPファイルを開かせるケースも多いです。

このような攻撃を防ぐには、受信したZIPファイルの出所を確認し、開く前にウイルススキャンを実施することが重要です。企業においては、社員に対して定期的なセキュリティ教育を行い、攻撃手法に対する認識を高めることも効果的です。

ウイルスの検知ができない

ZIPファイルに圧縮された状態では、一般的なウイルス対策ソフトがウイルスやマルウェアを検知できないことがあります。ZIPファイルで圧縮されたコンテンツは解凍されるまでアクセスできないため、多くの場合、ウイルススキャンが効果を発揮しません。

対策としては、ZIPファイルを受信したら、解凍後に再度ウイルススキャンを行うことが推奨されます。また、圧縮ファイル自体をスキャンする機能を持つ高度なウイルス対策ソフトを利用することも1つの対策です。

特に企業環境では、ZIPファイルの利用ポリシーを定め、適切なセキュリティ対策を講じることが求められます。

人為的ミスは防げない

ZIPファイルを扱う際の人為的ミスが、セキュリティ事故の一因です。人為的なミスにより、機密情報の漏洩やシステム感染など、深刻なセキュリティインシデントが起きています。

例えばZIPファイルを受け取った際に、開いてはいけないファイルを誤って開いてウイルス感染したり、重要なファイルを誤って圧縮ファイルに含めてしまったり、誤送信したりするケースが考えられます。

このようなリスクを軽減するためには、ファイルの取り扱いに関する明確なガイドラインを設け、社員やユーザーに対して定期的なトレーニングを実施することが重要です。さらに、重要なデータを扱う際には、二重確認を徹底し、誤操作を防ぐための仕組みを導入することも有効です。

ZIPファイルでウイルスチェックができない場合

ZIPファイルでウイルスチェックができない場合

ZIPファイルでウイルスチェックができない場合は、信頼できる送信元かを確認することが重要です。送信元が不明なZIPファイルは特に警戒が必要なため、ファイルは開かないようにしましょう。

受け取ったZIPファイルを解凍し、個々のファイルを別々にスキャンする方法やZIPファイルのまま圧縮ファイル内のコンテンツを直接スキャンするツールの使用が推奨されます。

ツールの導入ができずウイルスチェックが難しい場合、仮想環境やサンドボックスでの確認を推奨しています。

パスワード付きzipファイル

パスワード付きZIPファイルは、内容保護に有効的ですが、ウイルスチェックが困難になるというデメリットもあります。

ウイルス対策ソフトは、パスワードで保護されたファイル内の内容をスキャンできません。このため、パスワード付きZIPファイルを受け取った際には、送信者に直接パスワードを確認し、解凍後すぐにウイルススキャンを行うことが重要です。

また、信頼できる送信者以外からのパスワード付きZIPファイルは開かないようにすることで、リスクを減らせます。

政府がPPAPの廃止を決定

日本政府は情報セキュリティ強化の一環として、従来から使用されていたPPAP(パスワード付きZIPファイルの送受信)の廃止を決定しました。パスワード付きZIPファイルは一見安全に見えるものの、パスワードが同じ通信経路で送信されるため、攻撃者に盗聴されるリスクが高いとされています。

さらに、ウイルス対策ソフトがパスワード付きZIPファイル内のマルウェアを検出できないことも問題となっており、政府はより安全なファイル共有方法への移行を推奨しています。

PPAPの廃止はセキュリティ意識の向上とともに、より安全なデジタル社会の実現に向けた重要なステップとなるでしょう。

PPAPや脱PPAPについて別記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。

【注意】PPAPとは?その問題点と5つの代替案
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ZIPファイルのウイルスチェックができるツール

ZIPファイルのウイルスチェックができるツール

ZIPファイルのウイルスチェックができるツールは、圧縮ファイル内の潜在的な脅威を検出し、感染を防ぐために不可欠です。

これらのツールは高度なスキャン技術を使用して、圧縮されたファイルやフォルダ内のマルウェアの特定が可能です。また、ユーザーにアラートを発報することでウイルスの早期発見ができます。

ここからは、ZIPファイルのウイルスチェックができる4つのツールを詳しく解説します。

ESET

ESETは、優れたマルウェア検出能力を持つ総合セキュリティソフトウェアです。ESETの特徴は、高速なスキャン速度と低いシステム負荷にあります。ESETはリアルタイムでZIPファイルを含む圧縮ファイルをスキャンし、潜在的な脅威を即座に検出します。

操作しやすいインターフェースと詳細なログ機能がメリットとして挙げられます。多くの場合、ツールの導入によって、圧縮ファイルの解凍に時間がかかったり、PCの動作が重くなったりすることもあります。

しかしESETは全体的なシステムパフォーマンスに影響を与えにくく、バックグラウンドで効率的に動作します。

WinZip 28

WinZip 28は、ファイルを圧縮するソフトウェアとして広く知られていますが、ウイルスチェック機能も備えています。圧縮ファイルを作成する際にウイルススキャンを実行し、感染の可能性があるファイルを事前に除去してくれます。

他のツールと比較して、WinZip 28は圧縮とセキュリティ機能を1つのパッケージで提供しているため、追加のセキュリティソフトを導入する必要がありません。この統合性により、ユーザーはシームレスな操作性を享受できます。

Kaspersky Threat Intelligence Portal

カスペルスキーは、信頼性の高いウイルス対策ソフトウェアを提供するサイバーセキュリティ企業です。高度なスキャン技術を用いて、圧縮ファイル内のマルウェアや不正プログラムを迅速かつ正確に検出するサービスも展開しています。

Kaspersky Threat Intelligence Portalはリアルタイムの脅威インテリジェンスを活用し、新たなサイバー脅威にも対応可能です。使いやすいインターフェースと豊富な機能を備え、個人から企業まで幅広いユーザーに選ばれています。Kaspersky Threat Intelligence Portalを利用することで、ZIPファイルを含む全てのファイルを安全に保護することができます。

Dr.Web LinkChecker

Dr.Web LinkCheckerは、Webブラウザの拡張機能として提供されるウイルスチェックツールです。このツールの特徴は、リンク先やダウンロードファイルのスキャンを迅速に行う点です。

Dr.Web LinkCheckerは、ZIPファイルのダウンロード前にウイルスチェックを実施し、潜在的な脅威を事前にブロックします。軽量でリソース消費が少なく、ブラウザ内で直接動作するため、追加のソフトウェアインストールが不要です。これにより、ユーザーは安全にブラウジングやファイルダウンロードができます。

パスワード付きZipファイルを安全に送るには?

パスワード付きZipファイルを安全に送るには?

パスワード付きZIPファイルは、データ保護に有効ですが、送信方法によってはセキュリティリスクが伴います。安全に送るためには、パスワードの送信方法やツール選択が重要です。以下では、パスワードをメール以外で送信する方法を紹介します。

パスワードをメール以外で送信する

パスワード付きZIPファイルの送信時、パスワードを同じメールで送ると攻撃者に盗まれるリスクがあります。そのため、パスワードは別の手段で送ることが大切です。

例えば、電話やSMSを利用する方法があります。これにより、メールが傍受されてもパスワードは守られます。さらに、セキュアなメッセージアプリの使用も有効です。これらのアプリは暗号化機能を備えており、通信の安全性を高めます。

またパスワードを共有する際には、使い捨てパスワードを利用し、再利用を避けることで、さらなるセキュリティ強化が図れます。

ビジネスチャットでファイルを送付

ビジネスチャットツール(SlackやMicrosoft Teams)を利用してファイルを送付することも安全な送付方法の1つです。これらのツールは、エンドツーエンドの暗号化を提供し、企業内の通信を保護します。

さらにアクセス権限の設定や監査ログ機能により、不正アクセスを防ぎ、トレース能力を高めます。ビジネスチャットを利用する場合、パスワード付きZIPファイルを直接チャットで送信し、パスワードを同じチャット内で共有することで、セキュリティが向上します。

また、チャットツールはリアルタイムでのコミュニケーションが可能であり、ファイル送付と同時に確認やフィードバックを得ることができる点もメリットです。

クラウドサービスでファイルを送付

クラウドサービス(Google DriveやDropbox)を利用してファイルを送付する方法も有効です。これらのサービスは、ファイルのアップロード時に暗号化を行い、安全にデータを保管します。

さらにリンク共有機能を使えば、受信者に特定のファイルやフォルダへのアクセス権を与えられます。この場合、パスワード付きZIPファイルをクラウドに保存し、共有リンクを生成して受信者に送信します。パスワードは別の安全な手段で共有することで、セキュリティを確保可能です。

クラウドサービスの利点として、ファイルのバージョン管理やアクセスログの確認が可能であり、トラブル発生時にも迅速に対応できる点が挙げられます。

ファイル送信サービスを利用してファイル送付

ファイル送信サービス(WeTransferやHightail)を利用してファイルを送付する方法もあります。これらのサービスを利用することで、大容量ファイルを安全に送信可能です。

送信時にファイルを暗号化し、受信者にダウンロードリンクを送る形式を取るため、セキュリティが向上します。また、送信時にパスワードを設定できるサービスもあり、さらに安全性を高められます。

受信者には、ダウンロードリンクとパスワードを別々の手段で送信することで、情報漏洩のリスクを低減できます。これらのサービスを活用することで、簡単かつ安全にファイルを共有することが可能です。

HENNGE DLP EditionでZipファイルを安全に送付

HENNGE DLP Editionは、企業の情報漏洩を防止するための高度なデータ漏洩防止(DLP)ソリューションです。このツールは、ZIPファイルを含む全ての送信ファイルに対してリアルタイムでセキュリティチェックを行い、潜在的な脅威を迅速に検出します。

また、メールやクラウドサービスを介したファイル送信時に、適切な暗号化とアクセス制御を実施し、許可された受信者のみがファイルにアクセスできるようにします。HENNGE DLP Editionは、送信ファイルの内容を解析し、機密情報が含まれている場合には警告を発する機能も備えており、誤送信による情報漏洩リスクを低減します。

日本企業のニーズに合わせたカスタマイズが可能で、ローカルな法規制やセキュリティ基準にも準拠しているため、安心して利用できるソリューションです。

まとめ

ZIPファイルのウイルスチェックは、データの安全性を確保するために欠かせない手段です。正規の送信元であっても、悪意のあるファイルが紛れ込む可能性があります。

安全性を高めるには、定期的なウイルススキャンと最新のセキュリティソフトウェアの利用が推奨されます。これにより、ウイルス感染によるデータ損失やシステムのダウンタイムを防ぎ、企業や個人の重要な情報を守れます。

セキュリティ意識の向上とともに、適切な対策を講じることが、安全なデジタル環境を築く第一歩となります。ファイル送信時のセキュリティ向上に取り組む企業は、HENNGE DLP Editionの導入もご検討ください。

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