Slackはどのようなアプリなのか? LINEやTeamsとの違いも解説

 2023.08.09  クラウドセキュリティチャネル

Slackはビジネスで人気の社内用コミュニケーションツールです。クラウド型なので場所を選ばず手軽にやりとりできるだけでなく、業務の効率化にも貢献します。本記事では、Slackの主な機能やメリットやデメリット、他のツールとの違いなど、導入にあたって知っておきたい基礎知識を解説します。

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Slackについて

Slack(スラック)は、アメリカのSlack Technology社が開発・運営するSaaS型のビジネスコミュニケーションツールです。「Glitch」というゲームの開発スタッフが社内用に作ったものがベースとなっています。

Slackは英語で「たるんだ」「ゆるい」の他に「余裕」という意味をもっています。ビジネスツールの名前には不向きという印象を持たれるかもしれません。しかし「余裕のある」コミュニケーションツールととらえることもできます。

Slackはアプリをダウンロード後、インターネットに接続できる環境であれば、場所を問わずに利用できます。出張先はもちろん、リモートワーク中の自宅などからもアクセス可能です。

多様な機能を持ち、直感的な操作が可能なSlackは、チームのパフォーマンスを引き上げ、業務の効率化にも貢献します。

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Slackの主な機能を紹介

Slackにはビジネスでやりとりを行う際に便利な機能が豊富にラインナップされています。

チャット機能

Slackの主な機能が、テキストでコメントをやりとりするチャットです。コメントが時系列で表示されるスタイルなので、メールよりも直感的に内容を把握できます。チャットの内容を振り返って確認したいときもストレスを感じさせません。

1対1のやりとりのほか、「チャンネル」を使った複数メンバーとのやりとりが可能です。チャンネルとはテーマや話題、組織、プロジェクトごとに設定する専用スペースです。チャンネル内に必要な人や情報を集約できるため、業務をスピーディに進められます。

チャット機能をさらに便利にしているのが、「メンション機能」です。これは送信する相手を明確にしてメッセージを送る機能です。たとえば、チャンネル内で複数のメンバーとグループチャットをしている際、そのなかの特定の相手にだけメッセージを送りたい場合に使います。メンション付きメッセージを送った相手にはプッシュ通知が届くので、メッセージを見落とすトラブルを回避できます。

メンションの種類は3つあります。メッセージ作成時に「@ユーザー名」を入力すると個人を特定できます。「@here」を使うとチャンネル内のアクティブなメンバーにのみメッセージを届けられます。休憩中や休暇中、業務時間外などのメンバーには届きません。「@channel」と入力すると、チャンネルに参加中の全メンバーに送信できます。この機能を利用することで、状況に応じて特定の相手とやりとりできます。

ファイル管理

Slackにはチャットだけでなくファイル管理機能があります。チャット中、WordやPower Pointなどのファイルを共有したいシーンでもメールなどの別ツールに切り替える必要はありません。ドラッグ&ドロップなどの操作で、ワークスペースにファイルを簡単に追加、共有できます。

添付したファイルはチャンネルごとにまとめて保存され、一覧にして表示できるので、必要なときもすぐに探し出せます。アップロードしたファイルが不要になったときは削除も可能です。

音声通話やビデオ通話機能

直接相手と「会話」したいときには、音声通話やビデオ通話機能を利用できます。電話をかけたり他のツールに切り替えたりする必要はありません。

ハドルミーティングと呼ばれる機能で、オフィス内で行われる軽い打ち合わせや立ち話などのイメージで気軽に利用できます。テキストよりもスピーディにやりとりしたいけれど、Web会議をつなぐほどではないといったときに適した機能です。

なお、音声通話やビデオ通話はSlackコールと呼ばれる機能でも可能ですが、Slackコールは2023年3月29日に終了し、すべての機能がハドルミーティングに統合されます。

導入する際のメリットとデメリット

Slackの導入を検討している場合は、メリットとデメリットを把握しておきましょう。それぞれ3つずつ解説します。

Slackのメリット

ひとつ目のメリットは、コストを抑えられることです。Slackには無料プランが用意されているので、スモールスタートが可能です。無料の他に2つの有料プラン(1人あたり月925円から)がありますが、いずれも比較的低価格です。

2つ目はさまざまな形式のファイルを簡単に共有できることです。ファイルごとの検索も可能です。またGoogleドライブやDropboxといった 外部サービスとの連携もできます。他のツールをその都度立ち上げる手間が省けるだけでなく、誤送信などのミスも防げるため、業務の効率化が期待できます。

3つ目が情報を共有しやすいことです。たとえば、あるプロジェクトの新規参加メンバーに進捗状況などを説明するには手間も時間もかかります。しかしSlackなら、これまでのチャットを見返してもらえば状況を把握きるので、非常に効率的です。

Slackのデメリット

ひとつ目のデメリットは、メンバーの数が増えると使いづらくなることです。メンバー数が増える分、メッセージやファイル、メンションが増えるので、大企業で使う場合は重要な情報を見落とす恐れがあります。

2つ目は、大規模な会議や社内の全体会議などには不向きである点です。ハドルミーティングの参加人数は有料プランでも最大50人で、チャンネルまたはDMのメンバーに限られるため、必要に応じて別のWeb会議ツールを導入する必要があります。

3つ目は、「社外」コミュニケーションには不向きであることです。社内の情報が保存され続けるため、社外の人がSlackへアクセスする際には制限が必要です。社外関係者とのチャットをするには、有料プランへ加入してゲストアカウントとして招待しなければなりません。

他のツールとの違い

Slackの特徴をより理解するために、Microsoft TeamsとLINEとの違いを確認しておきましょう。

Microsoft TeamsはSlack同様、チャットやビデオ通話などの機能がそろっているコミュニケーションツールです。2つのツールの最大の違いは、ビデオ通話の参加人数です。Microsoft Teamsでは無料プランで最大100人、有料なら300人まで参加可能です。Slackの場合、無料プランでは1対1のみ、有料プランでも50人までです。無料の場合の利用できる時間は、Microsoft Teamsの場合60分までですが、Slackには制限がありません。

LINEはあくまで「個人」向けのコミュニケーションツールです。LINEでもグループチャットやビデオ通話はできますが、使用できるのはLINE IDに紐づいた電話番号を持つ特定のデバイスのみです。一方Slackは、アカウントがあればどのデバイスでも使用できます。

Slackを安全に利用するために押さえるべきポイント

Slackはログインできれば、どこからでも利用できる便利なコミュニケーションツールですが、その分セキュリティに留意する必要があります。

Slackでは、転送中と保存時のデータは暗号化されていますが、より安全に使うためには、さらなる強化策が必要です。たとえばパスワードに加え、確認コード入力が必要になる2要素認証(2FA)を積極的に活用したり、強固なパスワードを設定したりしましょう。この他、共有データの保管期間を設定する、アクセス制限を付与するといったアカウントルールを定めるのも効果的です。

まとめ

Slackはどこからでもアクセスできる便利なコミュニケーションツールです。円滑なコミュニケーションと業務の効率化に貢献し、リモートワークを浸透させることにも有効です。導入・運用にあたっては自社の特徴に照らしあわせてメリット・デメリットを検証し、他のツールとの違いを明確に把握しておくことが求められます。また、安全に利用するために強固なセキュリティ対策が必要なことは、いうまでもありません。

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