BoxとOneDriveは、どちらもクラウドストレージとして高い人気を誇るサービスです。ただ、双方には機能やセキュリティ面、費用などで違いがあるため、導入前のチェックと比較は必須です。本記事では、両サービスの概要や特徴、機能、セキュリティなどについて比較しつつ解説します。
BoxとOneDriveの基礎知識
BoxとOneDriveは、どちらもさまざまなファイルを管理、共有できるクラウドストレージです。BoxはBox.incが、OneDriveはMicrosoft社が提供しており、どちらもグローバル市場で提供されています。
Boxとは
Boxは、日本をはじめとした世界中の企業が導入しているクラウドストレージです。世界で10万社以上、日本国内でも三菱グループやTORAY、出光、資生堂など大手企業を中心に15,000社以上が導入している豊富な実績があります。
民間企業だけでなく、行政機関における導入実績が豊富なのもBoxの特徴です。すでに、世界各国325以上の政府機関がBoxを利用しており、ほかにも教育機関や金融機関、医療機関などでも導入されています。
Boxの魅力としては保存容量に上限がない点が挙げられます。そのため、通常のオフィスファイルやテキストファイルはもちろん、大容量の動画やCADファイルなども容量を気にせずに保存することが可能です。
OneDriveとは
OneDriveは、Microsoft社がリリースしたクラウドストレージです。WordやExcelなどのOfficeソフトで作成したデータをはじめ、動画や画像、音声などあらゆるデータの保存が可能なサービスです。
OneDriveを導入すれば、会社の端末で作成したデータをクラウド上で管理でき、複数人で共有可能です。ひとつのWordファイルへ複数人でアクセスし、同時に編集するといったことも可能であるため、業務効率化にも有効です。
なお、OneDriveの魅力として、価格の安さが挙げられます。たとえば、OneDriveやOutlookを内包するMicrosoft 365 Basicプランであれば、1カ月あたり260円で利用可能です。100GBと十分な容量であるにもかかわらず低料金で利用できるのは、OneDriveならではの大きな魅力です。
BoxとOneDriveの違い
どちらも、世界的に著名な企業が提供しているサービスである点は同じです。ただ、双方は特徴が異なるほか、さまざまな部分で違いが見られるため、それらを理解したうえで検討を進める必要があります。
Boxとは「ファイル」が中心
Boxの特徴は、ファイル中心の設計が採用されている点です。クラウド上にアップロードされた個々のファイルに、さまざまな権限を割り当てられる仕組みを採用しています。
アクセス権限もファイル毎に設定できます。Boxではアクセス権限を7段階で設定できるため、多様なシーンに対応できます。ファイルの閲覧者や編集者を切り替えたいときも、アクセス権限の設定のみで可能であるため容易です。
OneDriveとは「アカウント」が中心
Boxがファイル中心であるのに対し、OneDriveはアカウント中心の設計を採用しています。まずはアカウントありきで、そのもとで管理されるファイルを個々で共有するようなイメージです。
Boxと同様に、OneDriveでもファイルの共有は容易です。ただ、クラウド上に格納した個々のファイルにアクセス権限を割り振るわけではなく、個々のアカウントのもと管理される仕組みであるため、どのファイルがどのような権限のもと管理されているのかを管理者は把握できません。
このような理由から、従業員が退職した場合、これまで管理していたファイルをサルベージする必要性も生じます。管理していたファイルのボリュームによっては、相当な手間と時間、コストが発生するおそれもあるため注意が必要です。
BoxとOneDriveを比較
BoxとOneDrive、どちらを導入すべきか決めかねているのなら、ストレージ容量やファイル連携機能、セキュリティ性能などを比較してみましょう。
クラウドストレージを比較
クラウドストレージを選ぶうえで、もっとも重視すべきポイントのひとつがストレージ容量です。企業が利用する場合、膨大な量のデータを管理したいケースも考えられます。選定時には、自社が扱うデータ量を踏まえて選ばなくてはなりません。
Boxの個人向けプランには、無料で利用できるIndividualプランがあり、10GBまで利用できます。こちらは、利用期間の制限もないため半永久的に無料利用が可能です。なお、OneDriveの無償版は5GBが上限です。
前述の通り、Boxには、四つのプランを内包する有料のBusinessプランがあり、いずれもストレージ容量の上限はありません。そのため、膨大な量のデータを管理したい企業にもマッチしています。OneDriveには、OneDrive for BusinessのPlan 1とPlan 2があり、前者は1TBまで、後者は無制限です。
ファイルの連携機能を比較
BoxのBusinessプランとOneDriveのOneDrive for Business Plan2の共有機能については大差ありません。どちらもファイル共有や共同編集、ファイルへのコメント、権限設定などが可能です。
なお、どちらもさまざまなアプリやITツールと連携できます。ただ、連携性に優劣をつけるのなら、Boxに軍配があがります。Boxの統合可能なアプリ、ツールは1,500以上と多く、さまざまなコンテンツの集約と一元管理が可能です。セキュアな環境のもとシームレスにデータを活用できるようになり、業務効率化や生産性の向上効果も期待できます。
セキュリティ性能を比較
クラウドストレージでは、企業が保有するさまざまなデータを格納するため、セキュリティ性能も重視すべきポイントです。セキュリティ性能が低いと、サイバー攻撃による情報漏えいなどを引き起こし、企業が窮地に立たされるおそれがあります。
BoxとOneDriveのセキュリティ性能に大きな差はありません。どちらも二段階認証やデータの暗号化、閲覧制限設定、アクセスブロックといった機能を備えており、安全に利用できるセキュリティ環境を実現しています。
脱PPAPにもBoxやOneDriveを利用するなら、メールセキュリティを強化しよう
メールを用いたデータのやり取りでは、誤送信による情報漏えいのリスクが常につきまといました。このようなリスクを避けるため、重宝されていたのがPPAP方式です。ファイルとパスワードを別送する仕組みであり、メールの誤送信対策にも有効として多くの企業が利用していましたが、現在ではセキュリティ対策が不十分と考えられ、利用者は激減しています。
BoxやOneDriveを利用すれば、社内外の関係者とスムーズな情報共有が可能です。しかし、メールで共有リンクを誤送信してしまう、といったリスクは少なからず存在します。安全かつシームレスなデータのやり取りを行うには、適切な誤送信対策も求められます。
セキュリティ強化を図るなら「HENNGE One」
クラウドセキュリティサービスHENNGE Oneでは、メール誤送信対策機能を活用し、より安全にデータを共有できる新たなソリューションサービスが提供されています。
添付ファイルを自動的にBoxにアップロードするHENNGE Secure Download fot Box機能が提供されているため、Boxを使った脱PPAPを容易に実施することができます。
まとめ
BoxとOneDriveは、どちらも優れた機能とセキュリティ性能を有するクラウドストレージです。ただ、より安全に利用するには、適切な誤送信対策も導入しなくてはなりません。クラウドストレージの導入を検討しているのなら、HENNGE Oneのようなソリューションの導入も併せて検討してみましょう。
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