不正アクセスにどう対策する? 主な手口と防止策を紹介

 2023.08.09  クラウドセキュリティチャネル

アクセス権限のない者がシステムに侵入してくる不正アクセスは、手口の巧妙化や高度化、スマートフォンの普及などによって増加傾向にあり、企業や社会に深刻な被害を与えています。本記事では、不正アクセスによる影響や不正アクセスの代表的な手口、さらには不正アクセスを禁止する法律や防止方法について解説します。

不正アクセスにどう対策する? 主な手口と防止策を紹介

不正アクセスとは

不正アクセスとは、アクセス権限を持っていない者によってデバイスやサーバー、Webサイト、情報システム内部に不正ログイン・侵入されることです。他人から盗んだIDやパスワードを利用したり、ハードウェアやソフトウェアの脆弱性を利用したりしておこなわれることが多く、その結果、システムの停止や情報改ざん、情報漏えいなどが発生します。オープンネットワークであるインターネットに接続されていれば、国内・海外問わず、どこからでも不正アクセスされる危険性があります。

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不正アクセスの影響

企業が不正アクセスの被害を受けると、さまざまな方面に大きな影響が及びます。不正アクセスによって流出した企業の機密情報や顧客情報は犯罪的行為に利用される恐れがあります。例えば顧客情報が流出すれば、顧客の名前や年齢、住所などの個人情報を利用して、ネットショッピングなどでの不正購入やデータベース上の情報の書き換えなどがおこなわれる可能性があります。また、企画書や設計図などの機密情報が流出すれば、同業者に開発中の製品情報が悪用されてしまうことも起こり得ます。もちろん自社の業務だけでなく、顧客や取引先などにも被害が広がることもあり、企業としての信用が大きく失われてしまう事態になりかねません。

不正アクセスの規制

日本国内においては「不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)」によって不正アクセスが規制されています。不正アクセス行為およびそれに関連する行為を禁止するもので、不正アクセス罪や不正取得罪、不正助長罪、不正保管罪などの罰則も設けられています。不正行為を禁じることに加え、犯罪の防止、不正行為の再発防止を目的とし、インターネットを利用する上で心がけるべき対策についても触れられています。しかし、この法律のように不正アクセスに対する規制があっても、発生そのものを防げるわけではありません。そのため、企業は普段からセキュリティ対策を強化しておくことが重要です。

不正アクセスの手口

不正アクセスは、実にさまざまな手法を用いておこなわれます。例えば、ログイン情報を利用したり、システム等の脆弱性を狙ったり、マルウェアを感染させたりなど、侵入の手口はいくつもあります。ここでは、主な三つの手口について解説します。

ログイン情報を利用する

ログイン情報を利用した手口には、すでに漏えいしてしまっているユーザーのログイン情報を用いる方法や、ブルートフォースアタックと呼ばれる総当たり攻撃などがあります。ブルートフォースアタックは、ユーザーのIDやパスワードを何万通りも試して割り出す手法です。そのため、想像しやすい英数字の組みあわせは不正アクセスのリスクが高まります。また、何らかの方法で入手したIDとパスワードのリストを組みあわせて不正アクセスを試みる手口もあります。複数のサービスで同じIDとパスワードとを使い回している場合には注意が必要です。

脆弱性を悪用する

企業が利用するサーバーやソフトウェア、システムの脆弱性を突いて、不正アクセスしてくることもあります。中でも「SQLインジェクション」と呼ばれるWebアプリケーションの脆弱性を狙った攻撃では、データベース内のデータが改ざんされたり、消去されたり、盗用されたりします。具体的な手口は、ログインIDやパスワードの入力フォームなどに、サイトの誤動作を誘発するSQL文を入力して、悪意のある行為を実行するというものです。実際にSQLインジェクションによって、アカウントの流出やクレジットカード情報の漏えい、Webページの改ざんなどの被害が起きています。

マルウェアを感染させる

ウイルスなどのマルウェアを感染させて、不正アクセスの侵入経路を作る手口は近年、増加傾向にあります。マルウェアに感染させるためにはさまざまな手法が用いられていますが、メールに感染源となるURLを貼り付け、開くと同時に感染させる手口などが代表的なもののひとつです。不特定多数に向けて攻撃してくる場合も、特定の企業に狙いを定めて攻撃してくる場合もあります。一見、取引先などから送信されたように見えるメールでも、不審に感じたらURLを開かないように注意しましょう。

不正アクセスの対策例

不正アクセスの被害を受けないために、企業はどのように対策すべきなのでしょうか。効果的な四つの対策例を紹介します。

アップデートを欠かさずおこなう

脆弱性を狙った不正アクセスを防ぐためには、OSおよびソフトウェアのアップデートは必要不可欠です。特にOSでは、脆弱性を修正済みのバージョンアッププログラムが定期的かつ頻繁にリリースされています。社内で利用するPCやタブレットなどのデバイスはもちろん、各デバイスで利用するソフトウェアも、常に最新の状態にアップデートしておきましょう。この対策を行うことで、脆弱性のリスクを軽減できます。

認証を強化する

パスワードを複雑化するなどの対策も、不正アクセスに対する有効な手段です。特にブルートフォースアタックは、推測されにくい複雑なパスワードを設定することで、認証を突破される可能性が低くなります。また、パスワードの使い回しは控えましょう。近年では、知識情報、所持情報、生体情報のうち、2要素以上を組みあわせて認証を行う「多要素認証」が、不正アクセスの対策として注目されています。これらの対策を行い、認証を強化することで、ログイン情報を利用した不正アクセスのリスクが低くなるでしょう。

セキュリティ意識を高める

システム面のセキュリティ対策だけでなく、システムを利用する側である従業員のセキュリティ意識を高めることも重要な対策のひとつです。例えばマルウェアに感染させる手口は、メールに添付されたファイルやURLを開かせるというシンプルな方法です。システム面のセキュリティをいくら強化しても、従業員がURLを不用意に開いてしまうだけで感染してしまうため、セキュリティを常に意識しながら業務にあたってもらうことが重要です。不正アクセスへの対策には、システム面とセキュリティ意識の向上の双方を徹底しましょう。

不正アクセス対策にはHENNGE Oneの認証基盤

不正アクセス対策には、セキュリティサービスの導入も効果的です。クラウドセキュリティサービスの「HENNGE One」は、Microsoft 365やGoogle Workspace、Boxなど230を超えるクラウドサービスに対応しており、それらへの不正アクセス対策に有効です。シングルサインオンによるID・パスワードの統合を実現し、ユーザーのログインに関する負担を軽減するとともに、デバイス証明書、IPアドレス制限などの多要素認証機能も備えています。

まとめ

不正アクセスは、ログイン情報を利用したり、システムの脆弱性を悪用したりするなどの手口でおこなわれます。これらの不正アクセスを防ぐには、デバイスやシステムのアップデートを欠かさず行うことはもちろん、認証の強化、従業員のセキュリティ意識向上などの対策が必要です。システム面の対策では、シングルサインオンや多要素認証などの機能を備えたクラウドセキュリティサービスの導入も効果的です。

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