DXが建設業で必要な理由とは? 活用できる技術・ツールなども解説

 2023.11.08  クラウドセキュリティチャネル

近年、国内のさまざまな産業で「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の推進が重要な経営課題となっています。なかでもその実現が急務となっている分野のひとつが建設業です。本記事では建設業が抱えている課題やDXが求められている背景、そしてDXの実現に欠かせない技術について詳しく解説します。

DXが建設業で必要な理由とは? 活用できる技術・ツールなども解説

DXが建設業で必要な理由

DXとは「デジタル技術の活用による変革」を意味する概念であり、事業領域ではICTの戦略的活用によって経営体制に変革をもたらす取り組みの総称を指します。建設業でDXの実現が急務となっている背景には、「人手不足の深刻化」と「働き方改革への対応」という2つの要因が深く関わっています。

人手不足などの課題を解決するため

国内では総人口の減少や高齢化率の上昇に伴って生産年齢人口が年々減少(※1)しており、さまざまな産業で人手不足が深刻化しています。特にその傾向が顕著な分野のひとつが建設業です。国土交通省の調査(※2)によると建設業就業者数は1997年の685万人をピークとして下降に転じ、2020年には492万人まで減少しています。労働力が不足するなかで従来と同等以上の生産性を確保するためには、既存の業務プロセスを効率化する施策が欠かせません。そのためにはデジタル技術の戦略的活用が不可欠であり、建設業全体でDXの推進による生産性の向上が重要な経営課題となっている状況です。

(※1)参照元:令和4年版 情報通信白書(p.27)|総務省
(※2)参照元:建設業の働き方改革の現状と課題(p.2)|国土交通省

働き方改革など、社会的な動きに対応するため

建設業では、2024年4月より「働き方改革関連法」に基づく時間外労働の罰則付き上限規制(※3)が適用されるため、新たな法規制に基づいて労働環境を再整備しなくてはなりません。この働き方改革の推進において生じ得る諸問題を「2024年問題」と呼びます。建設業は年間出勤日数や年間実労働時間などが他の産業よりも多い傾向にあり(※4)、長時間労働の常態化が問題視されている業界です。長時間労働が是正されるなかで従業員一人ひとりの労働生産性を高めるためには、デジタル技術の活用による生産体制の能率化・合理化が求められます。こうした社会的な動きに対応するためにもDXの実現が急務となっています。

(※3)【参照元】建設業における働き方改革(p.4)|国土交通省
(※4)【参照元】建設業における働き方改革(p.1)|国土交通省

「建設現場における情報セキュリティガイドライン」から見る建設業の情報セキュリティ対策

DXで解決を目指せる建設業の課題

ここでは建設業が抱えているさまざまな課題を考察するとともに、DXの推進がもたらすメリットについて解説します。

技術継承の推進

国土交通省の調査(※5)によると、2020(令和2)年の時点において建設業は就業者の約36%が55歳以上で、29歳以下の若手就業者は約12%となっています。少子高齢化に伴う人手不足の深刻化と就業者の高齢化が重なり、建設業では後継者不足に悩まされている企業が少なくありません。DXの推進によって熟練者の知識や知見をデータベース化できれば、従業員全体のスキルアップにつながるとともに、後継者不足という課題を解決する助けとなります。

(※5)参照元:最近の建設業を巡る状況について【報告】(p.5)|国土交通省

作業の安全性確保

建設業ではいかにして従業員の安全性を確保し、労働災害を最小限に抑えるかが重要課題のひとつです。とくに現場作業員は高所や足場が悪い現場での業務が多く、危険度の高い道具を扱う機会も少なくないため、他の産業と比較して労働災害が多い傾向にあります(※6)。
ドローンの遠隔制御やIoTのセンシング技術などを建設現場に導入できれば、作業員の安全性を確保しつつ労働生産性を大幅に向上させることも可能です。

(※6)参照元:【参考資料1】労働災害発生状況の分析等(p.2)|厚生労働省

業務の効率化

少子高齢化に伴う人手不足や働き方改革への対応といった課題を抱える建設業では、既存の業務プロセスの効率化が重要です。例えば、IoTによるデータ収集の自動化やAIによるビッグデータの解析、図面や資料のデジタル管理、ロボティクス技術の活用による危険作業のオートメーション化などが挙げられます。こうしたデジタル技術を駆使することで既存業務の大幅な効率化が期待できます。

DXを建設業で進める際に活用できる技術・ツール

DXを推進するためには先進的なデジタルソリューションの導入が不可欠です。なかでも以下に挙げる4つのソリューションは、建設業のDXを実現するために欠かせない技術です。

BIM/CIM

「BIM(Building Information Modeling)」とは、建築物の設計や建設などに関する情報を3Dモデルとして表現する技術です。「CIM(Construction Information Modeling)」は、構造物だけでなく地形や地質などを加えた情報を3Dモデル化する技術です。BIMとCIMの活用によって3次元データを駆使した設計や検証が可能となり、詳細なシミュレーションをコンピュータ上で実行できる点が大きなメリットです。

ドローン

ドローンは地上から遠隔操作できる無人航空機の一種です。たとえば、産業用ドローンを建設現場に導入することで、建設プロジェクトの進捗状況を空撮で視覚的に把握したり、遠隔地から現場の地形を正確に調査したりできます。時間やコストを抑えながら広範囲の測量が可能となるのはもちろん、高所や足場が悪い現場の調査を安全かつ効率的に進められる点がドローンの大きな特徴です。

IoT

「IoT(Internet of Things)」とは、モノとインターネットを相互接続する技術を指します。IoTの代表的な機能といえるのが、モノの遠隔的な操作と制御です。たとえば、監視カメラの遠隔操作によって現場状況をリアルタイムでモニタリングしたり、設備機器の稼働状況を自動的に制御したりできます。こうした機能によってデータの収集や分析を支援するとともに、人手不足を補える点がIoTを活用するメリットです。

クラウド(SaaS)

SaaS型のクラウドは、インターネットを介してアプリケーションを利用できるサービスです。SaaS型のグループウェアやコラボレーションツールを活用することで、自社に物理的なITインフラを構築することなく全社横断的な情報共有基盤を用意できます。建設業向けの代表的なソリューションとしては、顧客情報や見積情報、原価情報などを統合的に管理する施工管理システムや、設計図面や製図作成に使用されるCADソフトなどが挙げられます。

建設業のDXにおいて重要なセキュリティ対策

現代はテクノロジーの進歩・発展に伴って不正アクセスやマルウェアの手口も巧妙化しており、厳格なセキュリティ体制を確立しなくてはなりません。また、DXの推進にはクラウドサービスの戦略的活用が不可欠ですが、SaaSはカスタマイズ性が低く、ひとつのソリューションで自社のシステム要件を満たすのが難しい傾向にあります。その対策として、複数のクラウドサービスを併用した場合、ID管理の煩雑化や管理負荷の増大につながるというデメリットがあります。

そこでおすすめしたいのが「HENNGE IdP Edition」の導入です。HENNGE IdP Editionは複数のクラウドサービスの認証基盤として機能するソリューションであり、シングルサインオンによるID・パスワードの統合管理を実現します。さらに、高度なアクセス制御や多要素認証といった機能を備えており、強固なセキュリティを保ちつつクラウドサービスのシームレスな連携を可能にします。HENNGE IdP Editionについて詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。

まとめ

建設業は少子高齢化に伴う人手不足や働き方改革関連法への対応といった課題を抱えており、生産体制の抜本的な変革が求められています。こうした課題の解決には、BIM/CIMやIoT、ドローン、クラウドサービスといった先進的なデジタル技術の活用が必要となります。建設業のDXによって、技術継承の推進や安全性の確保、業務の効率化が図れます。
デジタル技術の導入に伴い、セキュリティ体制の強化やクラウドサービスのシームレスな連携が求められるため、DXの実現を目指す企業はHENNGE IdP Editionの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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