メールアーカイブとは?その目的や手段・使い方を解説

 2024.04.11  クラウドセキュリティチャネル

便利な機能である「メールアーカイブ」。アーカイブという言葉は知っていても、具体的にどのようなものなのか、どんな目的があるのかを知らないという方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、メールアーカイブについてその目的や手段、使い方について詳しく紹介します。

メールアーカイブとは

アーカイブとは、消したくない、長期保存したいデータを圧縮して専用の場所に移動させることです。「保存または記録すること」「保管所」という意味を持つ英単語が由来とされています。

ビジネスにおいて、取引先との情報が入ったメールはなかなか削除できないものです。しかし、いつまでも過去にやり取りしたメールを表示しておくと、大切なメールが見づらくなってしまいます。そんなときに役立つのが、重要な記録を長期保存する「アーカイブ機能」です。

とりわけ「メールアーカイブ」とは、通常の保存場所とは異なる場所にメールを保存することをいいます。メールが削除されるわけではなく、受信メールの画面に表示されなくなるのが、メールアーカイブの特徴です。通常の保存場所とは異なる場所に移動させていても、データを見たり活用したりする場合は、すぐに検索や取り出しができます。

電子帳簿保存法では、法人の電子メールの保存期間は原則7年とされています。企業で利用するメールは長期保存が必要ですが、メールサーバーの容量にも限りがあるためアーカイブでの保存が採用されています。

では、どのようなサービスでアーカイブを利用できるのでしょうか。

その代表的なサービスが、Microsoft 365やGoogle Workspaceです。どちらも簡単な操作でメールをアーカイブすることができます。アーカイブ済みのメールは、いつでも閲覧や検索で探し出すことが可能です。

アーカイブしたメールはどこに保存されるのか

メールアーカイブは、データを圧縮して専用の保存場所で保管することです。このとき、専用の保存領域は企業で用意する必要があります。アーカイブ先として指定したサーバーやストレージに保存可能ということです。

具体的には、自社の専用サーバーを作ってサーバーに保存する方法、クラウドサービスのストレージに保存する方法などがあります。

自社でサーバーやストレージを用意することが難しい場合は、メールアーカイブ機能を提供している製品を導入すれば、サービス提供者が保存領域もあわせて用意してくれるため手間が省けるでしょう。

アーカイブとバックアップの違い

アーカイブとバックアップの違いについて、気になる方も多いのではないでしょうか。これらはよく似た機能ですが、目的が異なります。

バックアップの目的は、トラブル発生時にデータを復旧できるよう備えておくことです。そのため、メールは何らかのトラブルが起きた際に取り出します。一方、メールアーカイブの目的は、必要なときにメールを取り出すことです。急に取引内容を確認したい場合や、監査や法令などでメールが必要な場合など、さまざまな場面においてメールの取り出しを行います。

機能的にはほとんど同じものですが、そもそもの目的が異なるため、混同しないように注意しましょう。

使い分け方法|アーカイブと似た機能

アーカイブとバックアップの違いを簡単に解説しましたが、そのほかにもアーカイブと混同されやすい用語があります。ここでは、アーカイブとミュートとラベルの違いについて解説します。

アーカイブを使うシーン

アーカイブは、主に顧客や社内メンバーとやり取りしたメールに対して利用します。

  • 顧客とのやりとりを長期保管する
  • 社内ミーティングの議事録
  • 勉強会資料を添付したメール
  • 年に数回、数年に1回しか利用しないデータの保存など

顧客との契約書の取り交わしや見積書が添付されたメールなどは長期保管が必要です。メールアーカイブをすることで、メールを長期間にわたって保存してもメールサーバーを圧迫せず快適に使うことができます。

ミュートを使うシーン

ミュートの機能は、特定のメールを受信しても受信トレイに表示されないように設定する機能です。

以下のような場合に多く利用されています。

  • 営業や勧誘などのメールを受け取りたくない場合
  • 不要なメルマガを受け取りたくない場合
  • 迷惑メールを受け取りたくない場合

しかし、メールが自分にのみ送信されている場合や、所属するグループに対してメールが送信されている場合は、ミュートをしていても受信トレイには表示されるため注意が必要です。

ラベルを使うシーン

Gmailには、ラベルという機能も存在します。ラベルとは、付箋のようにメールにメッセージをつけることができる機能です。1つのメールに対して、複数のラベルを付けることも可能です。

複数社とやり取りしているような企業や営業職では、ラベルに取引相手の会社名を書くことで、メールの誤送信防止にも活用できるでしょう。

メールにラベルを付けて分類しておけば、必要なメールをすぐに見つけることができます。そのため、ラベルはメールの整理・検索用途としても利用されています。

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メールアーカイブの目的

メールアーカイブを実施することによって、業務上ではさまざまなメリットがあります。ここでは、メールアーカイブが行われる主な目的について紹介します。

受信トレイの整理

先ほどもご説明した通り、アーカイブ機能を利用すれば、溜まった過去のメールを別の場所に保存して、受信トレイを整理できます。

アーカイブであれば、メールが表示されなくなるだけで削除されることはありません。また、SDカードなど別媒体に保管すると読み込みが面倒ですが、アーカイブなら検索をかけるだけで該当メールを探し出せます。重要なメールは受信トレイに残しておき、残しておきたいメールはアーカイブして保存しておきましょう。

バックアップの強化

アーカイブ機能は、メールのバックアップとしても活用できます。万が一、バックアップを取れていないメールがあったとしても、アーカイブで保存されていれば、そこからデータを復旧可能です。

アーカイブで保存するデータは、本番運用しているメールサーバーとは異なるサーバーで管理します。万が一、同じサーバー内でバックアップをしていた場合は、サーバーが利用不可となるとバックアップデータでの復旧も困難になります。そのため、アーカイブ機能を利用することで、災害対策やさらなるバックアップ強化が可能です。

特に、保存が義務づけられているメールは、アーカイブに残しておくのがおすすめです。例えば関税法では、輸出入に関わるメールを5年~7年に渡って保存することが義務付けられています。これらのメールを保存する手段として、アーカイブを選択するのも1つの手です。

データの改ざん防止

メールアーカイブ機能は、メールが改ざんされていないことを証明するためにも利用されています。電子帳簿保存法では、事業者は全ての取引内容をメールや電子文書など、紙以外のデータで保存するよう定められました。契約書、請求書、損益計算書、賃借対照表など決済にかかわる重要な資料をデータで保存する必要があります。これらの電子データを保存するためにアーカイブ機能が用いられます。

高速での全文検索

メールアーカイブを導入する目的の1つに、全文検索でメールを探す時間を削減することが挙げられます。全文検索機能を利用することで、件名や宛名での検索だけでなく、本文、添付ファイルを対象とする検索が可能です。

サーバー内に保存されたメールの中から、素早く該当のメールを探すことができるため、業務効率改善につながります。また、必要なときに必要な情報を素早く開示することで、顧客の信頼度向上も期待できます。

セキュリティ対策

近年では、メールの誤送信による情報漏えいが増えていることをご存じでしょうか。このようなヒューマンエラーによる情報漏えいは悪意がない分、かえって防ぐのが難しいとされています。その点、メールアーカイブサービスの中には、送信ボタンを押したメールでも、強制的に送信解除する機能があります。これにより、あとから誤送信に気づいてもリカバリが可能です。

また、メールアーカイブでサーバーに保存した重要なデータは、厳格なアクセス制御によって保護できます。万が一、サーバーにアクセスされた場合でも情報が読み取られないように暗号化する機能を持った製品もあります。

メールアーカイブを導入することで、誤送信による内部からの漏えい、不正アクセスによる外部からの漏えい、どちらも対策可能です。

コンプライアンス強化と内部統制対策

また、すべてのメールを保存し一括管理できることは、コンプライアンスの強化につながるポイントです。監査や訴訟においては、メールの送受信記録および内容の開示を求められることがありますが、アーカイブに残されていれば、これらの要求に対応できます。

メールを専用の場所で一元管理し、アクセス制限をかけておくことで社内の人でも権限がなければ外部に持ち出すことができなくなります。

さらに、アーカイブ機能はJ-SOX法の対策にもなります。「J-SOX法」とは、コンプライアンスを遵守し、内部統制の質を高めるために制定された法律です。この法律では、指定期間メールの保存をし、条件を指定したメールの検索・閲覧を行うことなどが求められています。メールアーカイブなら、このJ-SOX法の要件をクリアしているため、さらなるコンプライアンス強化につながります。コンプライアンスを強化することで、社員による情報漏えいや不正取引などの不正行為を抑制し、企業の損失を防ぐことができます。

退職者のメールを保存・管理する

メールアーカイブは、退職した従業員がやり取りしていたメールの保護にも役立ちます。

従業員が退職した場合は、該当の従業員のメールアドレスを削除することが一般的です。アドレスが削除された場合は、フォルダ内のメールも削除されます。

従業員が退職する前に、顧客とやり取りした重要なデータをメールアーカイブで保護できます。

メールアーカイブの手段

では、メールアーカイブを利用するには、具体的にどうしたらよいのでしょうか?ここでは、メールアーカイブを行うための手段を紹介します。

メールサービスの機能を利用する

もっとも簡単な手段が、すでにアーカイブが搭載されているメールサービスを利用することです。例えばGmailなら、アイコンをクリックするだけで、アーカイブを行えます。また、Gmailのアーカイブの特徴として、アーカイブされたメールに返信が来た場合、自動で受信トレイにメールを戻すというものがあります。そのため、大切なメールを見落とすことはありません。

もしアーカイブしたメールに返信が来ても、受信トレイに戻したくない場合は、メールをミュートにすることで、そのままアーカイブに保存しておけます。なお、アーカイブ済みのメールを完全に削除したい場合は、ゴミ箱に入れることでメールの削除が可能です。

メールアーカイブ製品・サービスを導入する

現在利用しているメールサービスにアーカイブ機能がない場合は、アーカイブ専用のメールサービスを導入しましょう。

メールアーカイブサービスは、さまざまな企業から提供されています。導入の際には、コストはもちろん、機能やタイプを比較して選ぶのがおすすめです。

メールアーカイブ製品とは

メールアーカイブ製品とは
メールアーカイブ機能があるメールサービスを利用したいという企業向けに、メールアーカイブ製品の主な機能や種類について解説します。

機能

アーカイブで代表的な機能は、「検索機能」「連携機能」「添付ファイル暗号化機能」「承認機能(誤送信対策機能)」などです。また、モバイル対応しているものや、リコール機能(誤って送信したメールを受信者が開けないようにする機能)が備わっているものもあります。

タイプ

メールアーカイブは、アーカイブの方法によって「ゲートウェイ型」「パケット収集型」「ジャーナル連動型」の3種類に分かれます。

ゲートウェイ型

社内と社外をつなぐネットワーク上にゲートウェイを設置し、通過するすべてのメールをアーカイブします。ゲートウェイを設置するだけなので、比較的手軽に導入できます。ただし、ゲートウェイは社内と社外をつなぐ部分に設置するため、社内でやり取りしたメールはアーカイブできません。また、ゲートウェイに障害が発生すると、メール自体も送受信不可能となる場合があります。

パケットキャプチャ型

電子メールを含めたネットワーク上を流れるすべてのパケット(電子データ)を収集し、アーカイブします。メールだけでなく、Webアクセスなどの情報もアーカイブ可能です。また、既存システムを変更せずに導入できるため、初期設定が比較的容易です。一方で、メールをコピーして保存するため、メールの送信停止などはできません。

ジャーナル連動型

メールサーバーのジャーナル機構から、メールがやり取りされるたびにアーカイブを行います。ネットワーク上に干渉するわけではないため、障害が起きてもメールサービスには影響しません。ただし、この方法はジャーナル機構を持つメールサービスでしか利用できませんので、注意しましょう。また、パケットキャプチャ型と同様、メールをコピーして保存するため、メールの停止機能は利用できません。

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E-Mail Security Editionは、ランサムウェアなどの標準型攻撃からメールを守る機能やメール誤送信対策が可能なメールセキュリティ強化のためのサービスです。送受信したメールを保管するメールアーカイブ機能も提供しています。また、添付ファイルを安全に送信できる機能、大容量ファイルの送信など、メールだけでなく最近主流となっている効率的なファイル転送にも対応しています。

230万人以上が利用しており、実績も豊富で安心して利用可能なため、メールアーカイブを利用したい企業は導入をご検討ください。

まとめ

メールを別の場所に保存しておく「メールアーカイブ」。この機能を利用することによって、いざと言うときのデータ保護ばかりでなくコンプライアンス対策としても有効です。

また、メールシステムをよりセキュアに利用したい方には「HENNGE One」がおすすめです。HENNGE Oneは、IP制御やワンタイムパスワード、多要素認証(MFA)などアクセス機能が詰まったセキュリティサービスです。

Microsoft 365、Google WorkspaceをはじめBox、LINE WORKSなど複数のクラウドサービスへのセキュアなアクセスとシングルサインオンを実現します。さらに、Email DLP機能を利用することで、より強固なメールセキュリティを実装することが可能となります。

メールアーカイブはもちろん、トータルでセキュリティを見直したいなら、ぜひHENNGE Oneの導入を検討してみてください。

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