メール誤送信を防止する対策5選! 有効なツールも紹介

 2023.08.09  クラウドセキュリティチャネル

メール誤送信によって、顧客情報や機密情報が漏えいしてしまうと、企業は大きなダメージを負ってしまいます。取引先や顧客の信頼を失い、事業の継続すら危ぶまれるかもしれません。本記事では、企業を窮地に立たせかねないメール誤送信を防止する対策や、有効なツールについて解説します。

よくあるメール誤送信の例と原因

メールの誤送信でよくあるのが、送信先のメールアドレスを間違えてしまうケースです。直接アドレスを入力していて間違える、似たアドレスを選択してしまい誤送信する、といったことが考えられます。

また、送るべきデータと異なるファイルを添付して送信してしまう、記載すべき文面を間違えてしまう、といった事例も少なくありません。このような誤送信が発生すると、ときに組織へ甚大な被害を及ぼすおそれがあります。社外秘の情報を意図せずに送ってしまうことも起こり得ます。

基本的に、こういった誤送信は作業者の不注意で引き起こされるケースがほとんどです。仕事ができるまじめな従業員であっても、ケアレスミスで誤送信してしまうこともあるでしょう。厳格な運用ルールのもとメールを扱っていても、こうしたミスはゼロにはできないため厄介です。

どうする?どう実現する?脱・PPAP

メール誤送信を防ぐ5つの対策

メール誤送信を防ぐ対策として、送信を一時保留する方法が考えられます。また、添付ファイルを暗号化しておけば、万が一誤送信しても情報漏えいを防げます。第三者によるチェックや誤送信を防止できるツールを利用するのも有効です。

送信を一時保留する

作成したメールをすぐに送信してしまうと、誤送信に気づいても後の祭りです。メール送信予約機能が実装されているメーラーであれば、少しあとの時間に予約しておくことでその間に送信先や添付ファイルなどに誤りがないかチェックできます。

予約した時間までにチェックし、誤りがあれば送信をキャンセルできるため安心です。なお、有名なメーラーの多くが送信予約機能を実装しているものの、設定方法は個々で異なります。

Outlookなら、手動による送信設定を行うと即座に送信されません。「詳細設定」→「送受信」と進み、「接続したら直ちに送信する」のチェックボックスを外せば設定できます。

Gmailには送信取り消し機能があり、送信したあとでも取り消しが可能です。「設定」→「すべての設定を表示」と進み、「送信取り消し」の時間を選択して完了です。

添付ファイルを暗号化する

添付ファイルを暗号化できるツールを利用すれば、万が一誤送信が発生しても情報漏えいを回避できます。メールで頻繁にファイルのやり取りをする企業であれば、このようなツールの導入を検討してみるとよいでしょう。

添付ファイルの暗号化と聞くと、PPAPを思い浮かべる方がいるかもしれません。詳しくは後述しますが、誤送信対策として広がったPPAPにはさまざまなリスクが潜んでいます。

第三者のチェックを挟む

作成したメールを即時送信するのではなく、第三者のチェックを挟んだうえで送信する手法です。メールの本文や添付しているファイルの中身、宛先などを社内の第三者がチェックし、問題ないことが確認できたら送信します。

ただ、ここまでやったとしても、誤送信を確実に回避できる保証はありません。第三者が誤りを見逃してしまうおそれがあるためです。そのため、万が一誤送信が起きた際に早期発見できるような工夫が求められます。

具体的な対策としては、CCやBCCを用いた情報の共有が挙げられます。CCやBCCに部署やチームメンバーのメールアドレスを入力すれば、誤送信が発生しても速やかに気づける可能性があります。

オートコンプリート機能を解除する

多くのメーラーに実装されているオートコンプリート機能は、入力した文字から予測して候補となるメールアドレスや名前を表示してくれるため便利です。ただ、この機能が原因でメールの誤送信が発生してしまうケースにも注意が必要です。

オートコンプリートが機能すると、本来入力したいアドレスとよく似たアドレスを入力してしまうおそれがあります。このようなミスを回避するため、オートコンプリート機能は解除して利用しましょう。

Outlookであれば、「オプション」→「メール」と進み「メッセージの送信」欄にある「宛先、CC、BCCに入力するときにオートコンプリートのリストを使用して名前の候補を表示する」のチェックを外します。

誤送信防止ツールを活用する

メール誤送信防止ツールを導入すれば、誤送信を未然に防ぐさまざまな機能を利用できます。ツールによって実装している機能は異なるものの、送信時の宛先確認や添付ファイルのダウンロード、一時保留といった機能を備えたツールが多くを占めています。

どれほど注意して作業したところで、人的なミスを完全になくすのは困難です。チェックするにもリソースを割く必要があり、本来の業務が疎かになってしまうかもしれません。一方、誤送信防止ツールを導入すれば、チェックにかける手間や時間を大幅に削減でき、誤送信の防止と業務効率化を同時に実現可能です。

ツール選定時には、上記のような必須機能が実装されているか、信頼性に問題がないかといった部分をチェックしましょう。

メール誤送信対策として広まったPPAPの危険性

PPAPは、パスワードを設けたZipファイルを送信しファイルを共有する手法です。本文とパスワードを2回に分けて送信しますが、誤送信の際には、最初のアドレスに2回目のパスワードを含むメールも再度送信してしまうケースが多く、対策としては不十分です。

また、PPAPはマルウェアへの感染やネットワーク盗聴などのリスクもはらんでいます。メールを盗聴されていた場合、パスワードも知られてしまうため結局情報が漏れてしまいます。

すでにPPAPの脆弱性や危険性は知れわたっており、政府も中央省庁における使用の廃止を打ち出しています。

メール誤送信対策と脱PPAPに有効なツール「HENNGE One」

メール誤送信対策と脱PPAPに有効なツールとして「HENNGE One」が挙げられます。Microsoft 365やGoogle Workspace、Boxなどとの連携が可能なセキュリティツールであり、行政機関や金融機関での導入実績もあります。

HENNGE Oneの「HENNGE DLP」を活用すればメールの誤送信対策が可能です。同ツールに実装されている機能の一部を以下に記載します。

第三者によるダウンロードを防止できる

添付ファイルは自動的にオンラインストレージにアップロードされ、メールを受信した側がメールアドレス認証ののちダウンロードする仕組みです。自動で発行されたダウンロード用URLが送られ、ダウンロード可能なユーザーも指定できるため安心です。

万が一、あとから誤送信に気づいても、URLを無効化すればファイルをダウンロードされる心配がありません。ただ、先にダウンロードされてしまうおそれがあることは覚えておきましょう。

誤送信につながる宛先アドレスを自動で削除できる

宛先から誤送信につながるアドレスの候補を自動で削除できます。事前の設定が必要ですが、対象外のアドレスを削除することで、誤ったアドレスに送信するリスクを回避できます。

ほかにも、メールを一時保留できる機能をはじめ、上長承認機能なども備えています。最大2GB、5ファイルまでをセキュアな環境のもと送受信可能な点も魅力です。

まとめ

メールの誤送信が企業にもたらすデメリットは決して小さくありません。人的なミスを完全になくすことは不可能に近いため、誤送信を防止できる機能やツールの導入によって解決を図るのがベストです。第三者を挟んで厳しくチェックするのもひとつの手ですが、どうしても手間と時間がかかり、担当者への負担も増加します。それを考えると、やはり誤送信防止ツールの導入を検討したほうがよいでしょう。HENNGE DLPのようなツールを導入すれば、複数の手段で誤送信を効率的に防止できるため、リスクを低減すると同時に無駄な手間を省けるようになり、業務効率の向上に寄与します。

ファイル共有完全ガイド 2022 〜脱PPAPにとどまらない生産性と安全性の劇的アップに向けて〜

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